「本日、2組のカップルが成立しております!」
その告知に参加者から歓声の声が上がった。
カップルの発表は“番号”で読み上げられる。
私は、男性の“4番”である。
いよいよ発表です。
「男性、1番」「女性、1番」
「おめでとうございまーす」
祝福の拍手が沸き起こり
“1組目”のカップルが成立した。
「続きまして、男性、6番」「女性、8番」
「…。!」
「えっーーーーー!」
この瞬間に、私の“夢”と“希望”が儚く散った…。
この気持ちを誰かに伝えたい!と思っても無理な話である。
今回、マッチングの神様は“2組”の男女を結びつけた。選ばれし男女なのだ!
そして、パーティーは終わった…。
私は、“屈辱感”と“寂しさ”を感じながら、会場を出た。
会場があるビルの出口まで差し掛かった時、ビルの外で、女性へ声をかけている男性の姿が目が止まった。
彼はパーティーへ参加していて、今回カップルになれなかったはずだ。
何をしてるのだろう?と、思いながら外へ出ると
「一緒に食事へ行きませんか!」と、パーティーに参加していた女性へ声をかけているではありませんかー!
彼は“ナンパ”をしている!
彼の“心”は折れてない!!
彼は気持ちを切り替えて、次の“ハンティング”を始めていたのだ!
素晴らしい精神の持ち主だ!
私は、彼の“勇姿”を賞賛しながらも“己”の気持ちは切り換えれず、とぼとぼと家路へついた。