その男性は、私より年上で、バツイチ子持ちのシングルファーザーであった。
婚活を『マッチングアプリ』でしていて、今までに何人もの女性と出会っているらしい。
「うらやましいお話である。」
『マッチングアプリ』には、いろいろ種類があるという。
その男性と私は、婚活する上での条件や境遇が似ている。
いったい、どんな『マッチングアプリ』を使っているのか、とても知りたかった!
しかし、すぐにその『マッチングアプリ』情報を話してはくれないのである。
その男性もいろいろな『マッチングアプリ』で婚活チャレンジして、やっと手に入れた奥義の様なものなのだろう!
ストレートに「その『マッチングアプリ』を教えていただけますか?」などと聞ける様な間柄でも無く、聞いたとしても教えてくれない場合もある。
教えてくれなかった場合、場の雰囲気が悪くなってしまうのも避けたかった。
なにせその男性とは、先程出会ったばかりである!
「ここであきらめたら、男がすたる!」
その男性がお店を出るまで
「今宵はとことん付き合いますよー!」
私は、完全に酔っぱらいである。
話を盛り上げ、その男性がカラオケを歌えば拍手喝采、私もお酒をジャンジャン飲んだのだ。
随分とお酒を飲んだせいか、段々と眠くなってきた。
「無念、今宵はここまでか!」
そろそろ帰ろうかと思っていた。
すると、その男性が突然!
私が待ちに待っていた『マッチングアプリ』情報をポロリと話してくれたのだ!
「とうとう授かったのだーーー!」
「ありがとうございます!」
私は意気揚々とお会計を済ませ、若干の千鳥足スキップでお店を後にした。
これが、スナック師匠との出会いである。